あらすじ
名前負けする不幸体質がコンプレックスな高校生・黛 四葉(まゆずみ よつば)は、ひょんなことから、猫みたいなツリ目で美人な『祓い屋』の同級生・鳴崎 菖(なるさき あやめ)とほぼ毎日キスをする契約を結ぶ。
実は四葉の不幸体質の原因は『霊力過剰症』という大量の霊力を持っているせいで、霊力が常に足りない『霊力欠乏症』を患う菖に『キス』という形で提供すると収まるのだとか。
この契約は、菖が悪霊を退治に必要な霊力を補うために使っていた『神域』が直るまでの期間限定で、契約終了後には霊力を隠してくれる『霊具』をもらえるという約束。
「俺のことを好きになったりするなよ?」と釘を刺されながら、四葉は不幸体質を治すため、放課後ほぼ毎日、菖の仕事に『非常食』としてついていき『キス(霊力)』を提供することになるのだが──。
期間限定の凸凹コンビによる、アンラッキーな青春BL。
登場人物

黛 四葉
身長:162cm 一人称:僕
平凡なワンコ系、人懐っこい、身長は普通、お人好し、尽くすタイプ。名前にそぐわない不幸体質がコンプレックス。ジャンケンは必ず負ける。
上の兄姉は若葉(兄・双子)、双葉(姉・双子)、三葉(姉)。上の兄姉たちはすでに亡くなった美人な母の血を継いでおり、モデルのように美しいが、四葉は平凡な父にソックリ(とはいえ、中の上ではある)。家族からは溺愛されている。
家事の中でも料理が得意。

鳴崎 菖
身長:178cm 一人称:俺
ツリ目の美人、高身長、見た目や言動からクールで大人っぽく見られるが、子どもっぽい一面もある。わりと横柄でオレ様気質だが、努力家で負けず嫌い。
歳の離れた姉・
一族の中でも稀有な『破魔』の霊力を扱える使い手だが、自身で生み出せる霊力量が少ないため、『神域』での霊力補充が必須。その『神域』と同レベルの霊力を蓄えている四葉に協力を申し出る。
浦部 陽葵
身長:175cm 一人称:私
長髪で常に1つに結んでいる爽やか系美人、常に誰にでも敬語。菖とは幼馴染で兄弟のように育っており、よく一緒にいる。家も隣同士で、家族の代わりに一人暮らしの菖の世話をしている。菖のよき理解者。他人に興味を持たない菖が、四葉を気にするようになったのを喜んでおり、言葉の足らない菖の代わりに四葉に説明してくれる。
菖及び鳴崎家を全面サポートする立場にあり、霊力も結界程度であれば張ることができる。
鳴崎 要
菖の9歳上の兄
凄腕の結界術師で、探索能力に長けており、悪霊や妖魔の痕跡を見つけるのが得意。
すでに『鳴崎不動産』の役員で、菖や陽葵に『祓い屋』の仕事の依頼を出している。
※画像はPicrew『探索者よ探索しろ』で作成
セリフハイライト

ネタバレありの全体あらすじ
「……間違っても、俺のことを好きになったりするなよ?」
「な、ならないし!」
名前負けする不幸体質がコンプレックスな高校生・黛 四葉(まゆずみ よつば)は、ある日の放課後、猫みたいなツリ目が印象的で美人な同級生・鳴崎 菖(なるさき あやめ)に、ファーストキスを捧げてしまう。
その翌日、学校で菖とその友人・浦部陽葵(うらべ ひなた)に呼び出された四葉は、二人が『霊力』を使って悪霊を退治する『祓い屋』をしていることと、自身の不幸体質の原因が『霊力過剰症』という、大量の霊力を持っているせいだと聞かされる。そして菖はその逆の『霊力欠乏症』で霊力が常に足りない状態。
今まで霊力の補給をしていた『神域』が壊され、補給ができなくなっている菖に、『神域』が直るまでの間、四葉の過剰な霊力を提供してほしいと頼まれる。修理が完了した際には膨大な霊力を隠してくれる『霊具』を報酬としてもらえると言われ、お人好しな四葉は協力することに。
しかし、その提供方法は『キス』をすること。
どうしてもドキドキしてしまう四葉に菖は「俺のことを好きになったりするなよ?」と釘を刺す。
こうして四葉は不幸体質を治すため、放課後ほぼ毎日、菖の仕事に『非常食』としてついていき『キス(霊力)』を提供することになった。
一緒に仕事をしていくうちに、四葉は菖が学校で見聞きするような『氷の王子様』とは違い、努力家で子どもっぽいところもあるけど優しい人だと思うようになり、心を惹かれていく。
そして、小さい頃から孤独に努力してきた菖も、純粋で天真爛漫な四葉の様子に少しずつ心を寄せ始め、自宅に泊めた際、四葉に対して友人以上の欲を持ち始めていることに気付く。
『神域』の修理が完了間近となり、契約も終わりに近づいてきた頃、菖が契約が終了した後も一緒にいたいと思うようになる一方で、菖が知らない女子生徒と腕を組んで歩く様子を目撃し、彼に「彼女ができた」という噂を鵜呑みにする四葉。
その頃、修理の完了した『神域』を最初に破壊した妖魔が再び現れるという予測を聞き、四葉と菖、陽葵の三人で『神域』で張り込むことに。
現れた妖魔との戦いで、三人ともボロボロになるも、菖の兄・要のサポートでなんとか撃破する。
病院に運ばれ、動けない菖と陽葵の代わりに、要から契約終了を伝えられ、約束の報酬である『霊具』を受け取った四葉。
目覚めた菖に最後の補給をした後、四葉はさよならを告げる。
『霊具』のおかげで不幸体質も治り、菖とも関わらない生活をする四葉だったが、ぽっかりと心に穴があいたような気持ちを抱えていた。
四葉がクラスメイトに「失恋した」と明かし励まされる一方、四葉と関わらないよう過ごしていた菖は「自分には他校に彼女がいる」という噂があると知り、四葉が勘違いをしていることに気付く。
修理の完了した『神域』で偶然再開した二人は誤解を解き、もう一度一緒にいることを選ぶのだった。
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