長編

🗞️K新聞の禁忌欄

横峯市内で体験した「やってはいけない話」を集めています。

地方紙K新聞が運営するメディアサイトの若手ライター成瀬は、夏向けのホラー特集「K新聞の禁忌欄」の企画リーダーに抜擢された。横峯市東部エリアから募集した怖い体験や、地域の“やってはいけないこと”を取材・検証して記事にしていく企画。 たくさんの投稿の中から記事化を進めていくにつれ、編集部や成瀬自身の身の回りで不可解な現象が発生するようになりーー。 怪談蒐集からはじまる連作形式の長編ホラー。 *第2回創元ホラー長編賞に参加中の作品です*ホラー / ミステリー / 現代 / 怪談蒐集

第二話 反響

「いやー、思った以上に集まりましたねぇ」
「本当ねぇ」
 K新聞のサイトに『怖い話』を募集していますという告知バナーを設置してから数ヶ月。投稿フォームには予想を上回る数の『怖い話』が集まっており、編集部は内容の確認に追われていた。
 サイトに掲載した『怖い話』の募集条件は以下の通り。

 ・横峯市の東部エリアでやってはいけないことをやってしまった体験談
 ・横峯市の東部エリアに伝わっている怖い話や噂
 ・横峯市の東部エリアで体験した不思議な出来事や思い出

 こんなふうに一般の読者から情報を募集する場合、気を付けなければいけないことがある。
 それは投稿される情報の信憑性だ。
 間口を広く募集するとよくあるのが、オカルト掲示板や商業作品からの剽窃だったり、横峯市となんの関係もない話、そもそも怖い話でもないものが投稿されるのである。
 読者参加型の企画はまず、こういった関係のない投稿を弾いていく作業がほとんどだ。
 今回は東部エリアでの企画で、投稿フォームにも四つある区のどの区に関する話かを選ぶようになっている。あざみ区と場所不明の投稿については、あざみ区エリア編集部が担当するため、目を通さなければならない投稿が多い。
「今回は結構使えそうな話が多いわね」
 辻堂が投稿された記事のチェック済みリストを見ながら、少し嬉しそうにそう言った。
「確かにありがたいことなんですけど、思った以上に怖い話ばっかりで、夜寝れなくなりそうです……」
 編集部内で唯一ライターではなく、事務や雑用を主に行なっているパート社員の平間美津子みつこが、半べそになりながらキーボードを叩いている。
 届いた投稿の内容を確認し、横峯市内に関連した話かどうか、剽窃ではないかどうかを最初にチェックする作業を主に行うのは平間だ。そのため、届いた怖い話を一番多く読む羽目になる。
 もちろん、平間だけでは大変な作業なので、他のライターも同じように投稿内容のチェックを行なっていた。
「久地さん、その話のチェック終わってるわよ」
「え、あれ? 本当?」
 言われた久地が隣に座る辻堂のパソコン画面を、眉をひそめながら覗き込む。
「チェック済みのリストは、こっち!」
「わーん、やっちゃったぁ」
 共有しているはずのチェックファイルを見間違えていたらしい。久地は少しばかり注意力が散漫なところがあるので、いつものことだと思いつつも、辻堂はやれやれと呆れたように眉を下げた。
「それにしても今回、ビックリするくらいの量ですよねぇ」
 改めて正しいチェックファイルで確認しながら作業を始めた久地が、まるで大きな雲でも吐き出すように言う。
「うーん、そうねぇ。前回の時はこんなに来なかったし」
 以前も読者から情報を募集する特集企画を行ったことがあったが、その時に比べると数倍はありそうだ。それだけホラー特集というのは、注目を集めているのだろう。
「ホラーが流行ってるのもありますが、それだけ辻堂さんの記事が良かったってことですよ」
 トイレから戻ってきた成瀬が、辻堂の向かいの席に腰を下ろしながらそう言った。
「あの話、そんなに怖かった?」
「もーめっちゃ怖かったですって!」
 未だに訝しむ辻堂に、久地が隣から口を挟む。
 新企画の紹介と宣伝、そして『こんな話を募集しています』というサンプルを兼ねて、辻堂の通っていた中学校に伝わっていた話を記事にしたのだが、これがなかなかの反響だった。
 新企画の公開時には『このくらいの閲覧数があればいいな』と、基準になる数値があるのだが、今回はそれを軽々と越えている。普段ならSNSで言及されることの少ない『K新聞 電子版』の東部エリアだが、昨今のホラーブームの影響もあるのか、今回は妙に注目を集めていた。
 そのくらいすごいことなのに、やはり当人にとっては当たり前に聞かされた話であり、同じような話を知っている同級生もいるせいか、あの話はやはり怖くないらしい。
「まぁ、おかげで企画もいい感じに成功しそうだからいっかな」
「企画リーダーとしては、めちゃくちゃありがたいです」
 肩をすくめる辻堂に、成瀬は両手を合わせて軽く拝んでみせた。
「まぁまだ始まったばかりだからね、気を抜いちゃダメよ」
 辻堂の言うとおり、まだ『禁忌欄』の企画は始動したばかり。
 まずは軽く目を通すだけでも時間がかかる、膨大な数の投稿の中から、掲載できそうな『怖い話』を選ばなければならないのだ。
 そうやって投稿を選別した後は、ライターが投稿者と連絡をとり、サイト上に掲載する記事として体裁を整えるために追加で話を聞いたり、場合によっては現地へ取材をすることもある。
 もちろん、普段の地域情報を掲載する業務を調整しつつ、特集企画のための記事作成も行うので、特集企画が走っている間はなかなかに忙しい。
 成瀬が共有ファイルのチェック済みリストを確認していると、少し離れた席に座っている根岸がやってきて、A4のプリントを差し出してきた。
「成瀬くん、頼まれてた原稿チェック終わりましたよ」
「あ! ありがとうございます」
 根岸からプリントを受け取っていると、久地がパッと明るい顔を成瀬に向ける。
「もしかして、特集記事あざみ区担当の第一弾、完成?」
「はい。ちょうど横峯市の人にはそこそこ有名な、例の廃ホテルに関する投稿があったんで採用してみました」

 ◇ ◇

【心霊スポットで悪いことをしてはいけない】
 ライター:ほたる

 その人は、横峯市内で長年タクシー運転手をしているそうです。

「仕事柄、本当に時々ではありますが、心霊スポットの近くまで呼び出されることってあるんですよ」

 深夜2時過ぎ。その日は、お客さんがいないかと市内をぐるぐると流していました。時間的にはもう終電を逃した人はいないだろうけど、と思いながらD駅に向かっていました。
 もう少しで着きそうだな、というところで、会社から無線が入ったんです。
 迎車の依頼でした。指定の場所から一番近くにいるのが私らしいから、向かってほしいと言われたんです。お客さんもいませんでしたし「はい、分かりました」と指定された場所に向かいました。
 それがN山とD山の境にある、峠道だったんですよ。
 D山って言えばほら、有名な廃ホテルがあるでしょう?
 心霊スポットの近くなんて、幽霊からの依頼だったら嫌だなぁ、なんて思いながら向かいました。
 言われた場所は、峠道にあるDトンネル近くの公衆電話です。
 あの辺は公衆電話のある場所が一つしかないので、すぐに分かりました。
 トンネルを抜けて少しいったところにあるんで、速度を落として注意しながら進んでいたら、公衆電話のすぐ隣に女の子が立っています。大学生くらいの、今時の子でした。
 きっと『迎車』の表示に気付いたんでしょうね、一生懸命手を振ってて。
 タクシーをすぐ近くまで寄せて確認すると、やはりその子が依頼したって言うんで、すぐに後部座席を開けました。
 でもその子はブルブル震えてて、こう言うんです。
「怖いので助手席に座らせてくれませんか」
 なんだかこれは只事じゃないな、と。
 目も涙ぐんでましたし「いいよいいよ、こっちに座りな」と、助手席に座らせました。
 行き先を聞くついでに、どうしてこんな場所にいたのか聞いたんですよ。
 そしたら、ちょっと柄の悪いお友達数人に心霊スポットに行こうって連れて行かれて、そのまま置き去りにされたんですって。

「ひどい話ですね」
「でしょう? でも、ひどいのはそれだけじゃなくて」

 D山にある廃ホテルは、もともと五階建ての観光ホテルだったそうですが、何年も前に上層階で大規模な火災を起こし、それがきっかけで廃業した場所です。なので、3階から上の階は、床や階段が崩れ落ちていて上がれない状態なのだとか。
 そんな廃ホテルで、お客さんである彼女とお友達数人は1階から2階を見て回っていたそうです。
 基本的には、黒く煤けている場所があったりするくらいの、山の中の廃墟なので、つまらなかったんでしょうね。お友達数人は、あろうことかその廃ホテル内の壁を蹴飛ばしたり、残っている備品なんかを壊したりし始めたんですって。
 そもそも廃墟への不法侵入ですし、さらに物を壊すなんて本当にダメなことですからね。大人しく着いてきてしまった彼女がそれを咎めると、彼らは「ビビってんか?」なんて言うだけで聞いてくれなかったそうです。
 更に最悪なことに、彼らはひとしきり物を壊した後、こう叫んだそうです。
「ここにあるものは、〇〇〇〇ちゃんが壊しましたー!」
 この『〇〇〇〇ちゃん』は、彼女の名前のフルネームです。一人が言い出すと、他の友人たちも同調して彼女の名前を連呼し始めました。
 もし廃ホテルに幽霊が住んでいるのだとしたら、その幽霊には自分がしたと思われちゃうじゃないですか。
 やめてほしいとお願いしてもやめてくれず、頭を抱えていたら突然、ドンッ! と天井から大きな音がしたそうです。
 さすがに大騒ぎしていたみんなも、シーンと静まりました。
「え、仕込み?」
 ややあって、誰かがそう言いましたが、そんなことができるはずありません。
 その時いた場所は2階で、真上の3階には誰も行けないのですから。
 一瞬の間をおいて、みんなは口々に叫びながら、我先にと廃ホテルから飛び出しました。彼女も急いで後を追いかけたのですが、
「お前の名前しか言ってないし、謝っておけ!」
 そう言われて突き飛ばされ、彼女以外の連中だけ車に乗って、そのまま行ってしまったんだそうです。
 彼女はさすがに途方に暮れたそうですが、ずっとホテルのそばにいるのも嫌なので、来る途中トンネルの近くに公衆電話があったのを思い出して、なんとか歩いてたどり着いたんだそうです。
 当時は一応携帯電話もありましたけど、山の中だと電波が弱くて繋がらなかった時代ですから。
 それでタクシー会社に電話して、やってきたのが私だったというわけです。
 山の中を走ってる間はずっともう、本当にブルブル震えていましてね。かわいそうでした。
 とりあえず、車内にあった買い置きのお茶とか飲ませたりして落ち着かせて、彼女の家まで向かうことにしたんです。
 峠道を降りて、チラホラ街の明かりも見えてきた頃に、ちょっと安心したんですかね、少し元気になってきたみたいで。
「本当に酷くないですか? 壊したの私じゃないのに!」
 廃ホテルでの出来事を振り返り、恐怖よりもだんだん怒りが湧いてきたようでした。
 私は元気づけたかったのもあって「本当だよね!」と彼女の言葉に合わせて言いましたよ。
「もう、悪いのはあいつらだ! って言っちゃえばいいんだよ」
「そうですよね! 本当に壊したのは、〇〇〇と〇〇〇です!」
 彼女も自分を置き去りにしたお友達の名前を叫んだりして、車内は妙なテンションになっていました。
 その状態で走っていたら、コンビニが見えてきました。広い駐車場に大きなワゴン車が一台だけ駐まっていて、周囲に大学生くらいの若者がたむろしています。
 それを見た助手席の彼女が、あっと声を上げました。
「あ、あいつらですよ!」
「えっ!?」
 私はその言葉に、ついブレーキを踏んで停車しました。
 山から一番近いそのコンビニにいたのは、廃ホテルを荒らした上に彼女を置き去りにした連中だったのです。
 すぐに私はハッとしました。夜間とはいえ、信号のない場所で停止するのは大変危険です。
 急いでアクセルを踏もうとしたところ、ガチャッと、後部座席のドアが勝手に開きました。
 まるで、ずっと後ろに乗っていた人が、自分でドアを開けて降りたような感じで。
 私は彼女と顔を見合わせると、運転席からの操作でドアを閉めて、そのまま発進しました。
 その後はもうずっとお互いに無言です。それから何事もなく彼女を送り届け、私も事務所に戻りました。
 もしかしたら、廃ホテルの幽霊が乗ってきてたのかなぁって。
 さすがに後部座席は濡れたりしていませんでしたが、とても怖かったので、事務所に戻ってから車内にお清めの塩を撒いたりしました。

「結局、そのコンビニにいた、彼女のお友達はどうなったんでしょうか?」
「さあ? 遠かったんで顔も見てないですし、わかりません。でも、ろくなことにはなってないと思いますよ」
「それはどうして分かるんですか?」
「無言で彼女の家に向かってる途中、救急車数台とすれ違ったんです。今思うとあれは、あのコンビニに向かったんじゃないかなぁって」

 投稿者のお話をもとに、幽霊が降りたかもしれないコンビニで何があったのか、当時の記録を調べてみました。
 すると、同じような時期に該当すると思われるコンビニで、数人の大学生が半狂乱で互いに殴り合う、大惨事があったという記事をみつけました。
 いったいその時何が起きたのか。
 怪我をした当人たちのその後についても調べてみましたが、大半の方がすでに亡くなっているか行方不明になっており、それ以上調べることはできませんでした。

 現在そのコンビニのあった場所は、広々とした駐車場になっています。

 ◇ ◇

「いやー、すごい反響ねぇ」
 辻堂が編集部の中央にある、リアルタイムでアクセス数を表示するモニターを眺めながら呟いた。
 モニターの画面上部には何人がサイトを閲覧しているのか、という情報が数字と棒グラフで表示され、画面下部には閲覧数の多い順に記事のタイトルリストがずらりと並ぶ。
 そんなリアルタイムレポートの、リストの一番上にあるのは成瀬の書いた【心霊スポットで悪いことをしてはいけない】だ。
「久々に自分の記事でこんな数字見ましたよ」
 辻堂の隣で、成瀬はコーヒーを飲みながら頷く。
 話を募集してから最初の記事ということもあり、アクセス数もこれまでの特集企画記事のなかでダントツによい数字を出している。大変幸先がいい。
 成瀬と辻堂が休憩がてらモニターを眺めていると、奥沢が外出から戻ってきた。奥沢は東部エリアの統括部長だが、あざみ区が東部エリアのリーダー的ポジションということもあってか、自席をあざみ区エリア編集部に置いてある。
「ただいまー。ドーナツ買ってきたからみんなで食べよう」
 そう言って奥沢が、有名チェーンのドーナツの箱を掲げて見せた。
「やったぁ!」
「どうしたんですか、これ」
 休憩スペースのテーブルで、ドーナツの箱を広げる奥沢に成瀬が尋ねると、いつものように目尻にシワを増やして笑う。
「『禁忌欄』の初回記事がかなり好評だったから、差し入れにと思ってね。成瀬くん、ドーナツ好きだったでしょう?」
「……! はい、ありがとうございます!」
 一番の功労者なのだからと、成瀬が最初に選ぶ権利を与えられた。成瀬はいろんな種類のドーナツから、生クリームを挟んでチョコを掛けてあるものと、生地にも外側にもチョコを使ったドーナツを選び、さっそく口に運ぶ。
 編集部の他のメンバーも休憩スペースにやってきて、それぞれ好きにドーナツを選び、すっかりみんなでおやつタイムになった。
「今回の企画、本当に反響いいですよねぇ」
「うん。他の編集部や上からも、お褒めの言葉をもらったよ」
 奥沢がニコニコと笑いながら言う。
 メディアサイトはアクセス数が命だ。見てくれる読者の数が増えれば増えるほど、広告収益が上がり、お金を払って広告記事を書いて欲しいという企業が増える。
 だからこそ、どんな記事なら読者の興味関心を引くことができるのか、ということを考えなければならない。
「今回の成瀬くんの記事、有名な心霊スポットだし、ベタすぎるって言われるかなーって思ってたけど、そうでもなかったね」
「たぶん、実際に廃ホテルに行った話じゃなくて、その後の話だから新鮮だったんじゃないかな?」
 傳々山の廃ホテルの話は、心霊スポットを紹介する雑誌などにも掲載されたことがあるくらい、有名な場所である。そういった雑誌によれば、大昔に火災の起きた観光客向けのリゾートホテルで、その後ホテルの経営者が責任問題から自殺してしまったらしい。
 よくある噂話では、その自殺した経営者が出るとか、火災で亡くなった人たちが彷徨っていると言われているが、今回の投稿記事はそれとはまた違った切り口だったので、ネット上のホラーが好きな層にもウケたのではないだろうか。
「やっぱり、タクシーに乗ってたのって、自殺した経営者だったのかなぁ」
 久地がドーナツに齧り付きながらぼんやりと言うと、成瀬はうーん、と考えこんで、口の中のものをごくんと飲み込んでから言った。
「実は、記事に書けなかったんですけど、タクシーから降りた見えないお客さんは、女性らしいんですよね」
「えっ、見えなかったのになんで分かったの?」
「投稿者の方が事務所に戻って、後部座席を掃除しようとしたら、香水というか化粧品みたいな匂いが残ってたらしいんですよ」
 大学生の女の子を家に送り届けた後、投稿者は誰も客を拾うことなく、まっすぐ事務所に戻ったので、他の客の匂いというのは考えにくい。
「……経営者は、女性だったの?」
「調べたんですけど、男の人でした」
「ええー? じゃあ誰が?」
「それが分かんないんですよ。だから、記事には書けなくて……」
 昔の記録を調べてみたものの、該当しそうな人物はいなかったので、タクシーに残されていた匂いについては触れずにおいた。一つの話として、妙な混乱を招く要素は避けたかったからだ。
 傳々山の廃ホテルのある辺りは、眺めがいいので壊して建て直す計画が度々持ち上がるのだが、何故か不思議と立ち消えになってしまうらしく、現在も荒れるがままに放置されて何年も経っている。
 もしかしたら、タクシーに乗り込んだ何かと関係があるのかもしれないが、これ以上は調べようがない。
「あとは、幽霊がやり返してくれるっていう、スカッとする感じがいいですよね」
「わかるー! 悪い奴にちゃんとバチが当たってるもんねぇ」
 根岸の言葉に、久地がうんうんと何度も首を縦に振った。
 いけないことをしたら、バチが当たる。
 今回選んだテーマである『やってはいけないこと』になんともピッタリな話だ。
「こういうお化けの話ばっかりならいいのになぁ」
 ひたすら投稿チェックを行なっている平間が、ポツリと愚痴をこぼすように言う。希望として言うということは、やはりそうじゃない投稿のほうが多いのだろうか。
「さ、ドーナツを食べたら、投稿のチェックと、取材も頑張りましょう」
「はーい」
 辻堂の言葉に編集部の面々はそれぞれ返事をして、ドーナツを頬張った。